塗り替えの時期

まずは見た目で分かる建物の傷みをセルフチェック!

外壁部分や屋根部分の塗り替え時期の目安をご説明します。
定期的な、塗り替え工事が必要な部分は、モルタル・各種サイディングボード・ALC・木材、カラーベスト屋根・コロニアル屋根・トタン屋根等が挙げられます。
以下の様な症状が塗り替え時期の目安と言えます。

チョーキング

チョーキング

新築や塗替え直後の時と比べて、塗装の色が違って見えるのは、塗膜の表面が紫外線や酸性雨等の影響により、塗料の樹脂や顔料が分解され、変色してしまう為です。 これが塗料劣化の初期症状と言えます。

塗料の色褪せや変色が更に進行した状態が、チョーキング(塗膜の白亜化)です。

この場合、塗装の表面を指先で擦ると、塗料の顔料や樹脂が付着します。
塗膜にチョーキングが発生してきた時に塗替え工事を行う事が、一番お値打ちな価格で塗替え工事が出来ます。

塗替え工事を行う際には、チョーキングした塗膜を、高圧洗浄機で入念に洗い流してから塗装します。この時点で塗替え工事を行う事が、住まいのイメージとライフコストをグン↑と高めます。

カビ・コケの発生

カビ・コケの発生

塗膜表面のカビ、コケ、藻の発生は、塗料に含まれる薬効である防カビ、防藻剤の効力が無くなった塗膜の表面にカビ、コケ、藻等が発生します。
この様な状態になりますと、建物の美観を損なうだけではなく、いっそう塗膜の劣化や、素地の劣化が進んでしまいます。

外壁や木部・鉄部等の塗膜に付着したカビ・コケ・藻・ホコリ等が原因となり、住まいの中にダニが発生し、シックハウスになる場合もあるので、注意が必要です。

カラーベスト屋根材等に見られるコケ・カビ等は、屋根の基材を著しく劣化させる原因となりますので、屋根の塗替えをおススメ致します。

最近の塗料には、防カビ・防藻剤等の薬効がありますが、塗料に含まれる防カビ・防藻剤は、あくまでカビやコケの繁殖を防ぐ薬効であって、殺カビ・藻・コケの効果はありません。
ですから、不充分な洗浄作業では塗り替え後、早期にカビやコケが再発生するケースがあります。

この様な理由から、塗膜に付着したカビ・コケ・藻・ホコリ等は、入念な高圧洗浄、外壁用洗剤や除菌剤できれいに除去する必要があります。

塗装する部分の洗浄作業や清掃作業等の下地処理作業が、塗替え後の仕上がり具合(美観性)・塗替え後の塗膜の品質(耐久性=塗膜の付着性・耐カビ・藻の繁殖性)に大きく関わってきます。

ヘアクラック・クラック

ヘアクラック・クラック

壁面に生じた微細なひび割れの事を、へアクラックと言います。
微細なひび割れは、壁面の素地が傷み始めている状態と言えます。

ヘアクラックが壁面に生じた場合は、フィラー材という下地調整材・微弾性下地調整材(微弾性調整材の事も“フィラー”と呼ばれます。)で下塗りを行ったり、単層弾性系塗料(ダンセイ)・アクリルゴム系防水複層塗材(アクリルゴム系防水複層塗材の場合は、中塗りとなります。)を中塗りし、壁面に生じたヘアクラックを完全に埋めて塗装します。

外壁を塗り替える際には、壁面のヘアクラックを完全に補修してから、仕上げ塗り(トップコート塗り)を行います。 壁面のヘアクラックを補修する事により、クラック予防・耐水性・美観性の向上させる事が出来ます。

塗膜の膨れ

壁面に生じたひび割れ等から、水や空気が塗膜の裏側に入り、塗膜が膨れ上がった状態を 塗膜の膨れと言います。

膨れの原因は、弾性系塗材が十分に素地と密着していない場合や、躯体内部への浸水・塗膜が寒暖差・結露等により、伸縮を繰り返し、塗膜の付着力が低下し、膨れ上が塗膜の膨れるケースもあります。
ですから、壁面に塗膜の膨れが生じている場合には、塗膜の膨れの再発を防ぐ為、特に入念な下地調査が必要です。

塗装する際には、膨らんだ塗膜の周囲を切開・剥離して、既存の仕様で補修塗装した後、各種仕様に基づき塗装する必要があります。

塗膜の剥がれ(剥離)

塗膜の剥がれ(剥離)

水分・紫外線・アルカリ・酸等が原因で塗膜に付着力が無くなり、塗膜が剥がれ落ちた状態の事を塗膜剥離と言います。

特に木部は、モルタル等に比べ、多く水分を吸収・放出するので、塗膜が早く劣化します。
ですから、塗膜の剥離には注意が必要です。

露出した素地は、塗膜による保護層が無い為、美観だけの問題ではなく、素地の劣化・腐食の大きな原因となります。 この様な理由から、塗膜が剥離している状態が見られる場合は、早期の補修塗装・塗替え工事をおススメ致します。

シーリング材の劣化

シーリング材の劣化

目地や躯体接合部分のシーリング材が切れたり、裂けてしまった状態を、シーリング材の劣化と言います。

劣化したシーリング部分を放置しますと、躯体内部への浸水の原因や、躯体の応力緩和能力が低下する原因につながります。 写真の様な状態になった場合は、既存のシーリング材を撤去し、シーリング剤の再充填が必要になります。

外壁の塗替え工事を行う際には、塗装を行う前に必ずシーリング部分のチェックを行い、劣化状態に適したシーリング工事を行う事がベストです。

外壁材の欠損・爆裂

外壁材の欠損・爆裂

壁面に生じたクラック等から水が浸水し、躯体内部の鉄筋が錆びて膨張し、鉄筋周りのモルタルが押し上げられ、躯体の一部が破損してしまう事を爆裂と言います。
また、外部からの衝撃で躯体の一部が欠けてしまった状態を欠損と言います。

爆裂・欠損の補修方法としましては、露出した鉄筋部分に錆止めやプライマーを塗り、鉄筋の錆びの進行を抑え、それから、フィラー・モルタル・樹脂モルタル等で形成補修し、補修塗り・吹付け塗材・パターンローラーによる補修塗装をして各種仕様に基づいた塗替え工事を行います。

退色・変色

退色・変色

変色とは、塗料に含まれる樹脂が劣化して、塗料の色が変わったりする状態の事を言います。 退色とはツヤが落ちたりする状態の事を言います。

エフロ・エッセンスの発生

エフロ・エッセンスの発生

エフロエッセンスとは、外壁のクラックから水が浸入し、モルタル中の石灰等が水に溶けて表面に染み出し、空気の中の二酸化炭素ガスと化合して出来たものです。

「白華」とも言います。

塗料の種類による塗り替え時期の違い

「塗り替え時期の目安」を前回の使用塗料で考えることもできます。

塗り替え時期の目安は、現在塗装に使用されている塗料の性能、建物周辺の環境等によっても異なりますが、木部や鉄部を通常のペンキ(合成樹脂調合ペイント)で塗装した場合は、3年から5年を塗り替え時期の目安にして下さい。
前回、外壁をアクリル系塗料(水性アクリル・溶剤アクリル・アクリル単層弾性系塗料)で塗装した場合は、塗り替え後6年~10年を塗り替え時期の目安にして塗り替え工事を行いますと、住まいを長持ちさせる事が出来ます。
同様にウレタン系塗料(水性ウレタン・溶剤ウレタン系塗料)の場合は、塗装後8~12年を塗り替え時期の目安にすると良いと思います。
但し、屋根・鉄部・木部等は、外壁面に比べ、劣化が進行する速度が3割程速いので、注意が必要です。工事を短期間に行う事は、費用対効果の観点で考えますと、お客様にとって経済的な負担が大きく、あまり良いものではありません。 この様な問題から、塗料の高寿命化をお求めする多くのお客様のニーズによって、現在では、フッ素系塗料・無機超高分子系塗料 ・ ハルスハイブリッド塗料 ・ 光触媒塗料 ・ シリコン系塗料など優れた耐久性を持つ塗料が多数流通しています。
したがって、優れた耐久性を持つ塗料で塗り替え工事を行った場合は、塗装のライフサイクルが長くなり、塗り替え工事の費用対効果を大きく向上させる事も出来ます。

ウレタン系塗装

ウレタン系塗料の塗り替え時期目安

50年間で塗り替えが約4回必要です。

シリコン系塗装

シリコン系塗料の塗り替え時期目安

50年間で塗り替えが約3〜4回必要です

フッ素系塗装

フッ素系塗料の塗り替え時期目安

50年間で塗り替えが約3回必要です。

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